サングレデグラドとは

<植物の概説>
ユーフォ-ビアセア科(Euphorbiaceae)
和名 トウダイグサ科
クロトン属(Croton)
原産地 南米 アマゾン地域
使用部位 樹液・樹皮など

 サングレデグラドはスペイン語で「龍の血」を意味し、亜高木から高木サイズの樹木で、高木では約10~20mぐらいに成長する、南米アマゾンに自生する樹木です。
 クロトン属の植物は薬用植物としてよく知られ、特にアルカロイドという成分が豊富に含まれているため、強壮もしくは下剤などに昔から使用されてきました。
 樹木は、高さや幹の太さと比較して根の部分が貧弱ですが、樹皮は斑模様です。この木を伐採した時に赤い樹液が出てくるため、血をイメージした名前がつけられています。

<伝承例>
 昔から、南米の原住民は、この赤い樹液をさまざまな目的に使用してきました。
 1600年代、スペイン人のベルナデ・コボがいろいろな参考資料を基にして、サングレデグラドの樹液に身体治癒力を与える効果があることを記述したことにより、その使用がメキシコやペルー・エクアドルに広まっていきました。その後、この樹液を患部に塗ることにより、疼痛・緩和・止血・傷口の感染に有効であることがわかってきました。

 この樹液を傷口に塗ると、すぐに乾燥し、傷口をまるで第二の皮膚のように覆う役割があります。また、ペルーのネイティブアメリカンや田舎の人々は、白血病・骨折・痔疾の苦痛を和らげたり、胃潰瘍などの激しい腹痛を和らげたりする目的のため内服していました。ほかのネイティブアメリカンは、創傷による発熱の解熱を目的に内服していました。
 また、産道の保護・治癒と回復を目的に出産時にも用いられ、そのほかに皮膚の保護にも用いられてきました。

<効果・効能>
 「緑の包帯」といわれるほど、新しい切り傷・外傷・対バクテリア・傷止めなどの薬として利用されますが、特に胃ガン・喉頭ガン・咽喉ガン・子宮ガンの治療に大きな効果を発揮します。これは、バクテリアの中で唯一発ガン性とされるHelicobacter pilori(ピロリ菌)を殺すためといわれ、その殺菌力が、各種のガン治療プロセスに於いてApoptosis(アポプトーシス)と呼ばれる「ガン細胞の集団自殺現象」を起こさせるものと考えられています。

<研究の現状>
 アマゾンから来て、スーパースターにのし上がったハーブの一つで、ラテンアメリカでは広く使われています。米国ではまだ見つけるのは難しいようですが、もうすぐポピュラーになると期待されています。

サングレデグラドは現在、南サンフランシスコにあるハーブを主原料とした製薬会社のS・P社(Shaman Pharmaceuticals)で、2種類の医薬品の原料として研究が進められています。あいにくほとんどの製薬会社のように、S・P社はハーブの成分全てを使用するよりは、ハーブの中の単一成分を化学的に抽出する「魔法の弾丸」方式でやっているのです。

ペルー人のシャーマン、アントニオ・モンテロ・ピスコは、サングレデグラドの成分を分離して使うよりはハーブ全草を使うことを勧めています。熱帯のペルーでは、切り傷や擦り傷を作った時にはいつもハーブ全草を使っているのです。
研究レベルでは、さまざまな角度から分析されています。また、このような熱帯雨林からの素材に対し、消費者は期待を込めて見つめています。

サングレデグラドは、その部位に塗るだけで、いろいろな傷口の治癒や皮膚の新形成に効果を示すハーブです。南米では、内服に用いる場合は、一日に樹液を2~30滴飲むことが一般的です。

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