ガラナとは

<植物の概説>

 ガラナは、アマゾン原産の匍匐性低木で、マナス・パリンティンス地方に特に多く見られます。青々と茂ったアマゾン熱帯雨林では高さ12m位まで成長します。実は小さくて丸みを帯び、色は明るい赤で房になっています。実が熟すると弾け、中から黒い種が姿を現し、あたかも目のようなその姿は原住民の間で伝説として語られています。 

<伝承例> 熱帯雨林の先住民によりこの薬用植物が使われていたことが、ブラジル発見の時期を早めたとさえ言い伝えられています。南米インディヘナの部族、特にガラナの名前が由来しているガラニス族では、乾燥させた種を煎り、水と混ぜてペースト状にします。そしてそのペーストはチョコレートと同様の方法で、様々な食品や飲み物、薬品の原料の一つとして利用されています。熱帯雨林の先住民の間ではガラナは主に、興奮剤や鎮痛剤、慢性の下痢の治療などに用いられてきました。植物学者のジェームス・デューク氏は、ガラナの利用法の過去・現在として、動脈硬化予防・効果的な心臓血管薬・鎮痛・収斂(アストリンゼント)・解熱・興奮・下痢の治療の為の強壮剤・高血圧の治療・偏頭痛・神経痛・赤痢の治療などを挙げています。ガラナに関する数多くの神秘的な効能が、多くの探検家達や入植者達へと数世紀に渡り伝えられてきています。1940年代に入りフランスとドイツでガラナの効能に対する科学的な研究が始まり、そして徐々に、熱や頭痛、そして精力増進など長年に渡り利用されてきたガラナの効能が科学的にも根拠十分であることが発見されていきます。 <効果・効能>ガラナに含まれているカフェインは、同量のコーヒーと比べて約3倍もあります。伝統的にハンターや軍人は狩りや探検の際に、この種をかんで、スタミナをつけていました。この種はまた飢餓の苦しみや熱・痛み・頭痛などに効果がありました。それらは苦い刺激性ドリンクを作るために焼かれ、コーヒーのようなにおいをさせます。もともと、南アメリカではポピュラーで、多くの国でコーヒーと同様にこの刺激性ドリンクが飲まれています。

 <適応>

ガラナは主に以下のような健康効果が期待されています。

     疲労回復効果

     肩こりを和らげる

     気管支喘息の抑制

     血管内の浄化作用

     脳組織を活性化する

     利尿作用

     高齢者の新陳代謝を高める

     生理痛の予防

・ 整腸作用

 <含有成分>

ガラナの種の化学分析を最初に行ったのはドイツの植物学者セオドア・フォン・マルティウスで、1700年代まで遡ります。マルティウスは優れた生理学的な手法を用いて、苦くて白い水晶のような物質を種から取り出すことに成功しました。マルティウスはこれをガラニンと名づけましたが、これが後にカフェインと呼ばれるようになります。ガラナの種には最大5%(25,00075,000ppm)のカフェイン・300500ppmのテオフィリン(アルカロイドの一種)・300500ppmのテオブロミン(神経興奮剤などに用いる)が含まれています。キサンチンアルカロイド(カフェイン・テオフィリン<筋弛緩剤、血管拡張剤等に用いる抽出成分>・テオブロミン<神経興奮剤、動脈拡張剤、利尿剤等に用いる抽出成分)は、ガラナが持つ治療作用に大きく貢献していると考えられています。臨床研究では、テオフィリンは、心筋や中枢神経系を刺激し、敏捷性や注意を高めたり、心身疲労を軽減する作用があります。また、強い利尿作用も持ち、気管支の緊縮を低減するので、喘息に有効です。テオブロミンも同様の効果を持ちます。確かに、ガラナの民間伝承的利用法の多くは、このカフェイン含有により説明することができると考えられます。カフェインに関する立証された効能の中には、脂肪を減少させたり、疲労を軽減する作用も含まれています。1998年に発表された動物実験を伴った毒理学上のリサーチでは、体重1kgあたり2gという大量のガラナを摂取したとしても、一切毒性がないことが実証されています。同じリサーチの中で行われた、1.2μg/mlという濃縮度の低いガラナエキスを用いた実験では、脂質の過酸化を防止する作用が確認され、ガラナの持つ抗酸化特性が実証されています。 <伝統的使用法>種を煎じる場合は、1回0.51カップを13回、4:1チンキは113ml113回摂取するのが量的目安となります。ガラナシード粉末は、113gを、113回を目安にカプセルかタブレットに入れて摂取するか、ジュースやスムージーに混ぜてお召し上がりください。治療目的での摂取量は、145gとの報告があります。市販されているガラナエキス製品は、各々製品ラベルの記載情報を参考に。 

<禁忌>妊娠中・授乳期間中の使用は禁忌です。ガラナにはカフェインが含有されています。カフェインまたはキサンチンに過敏であったり、アレルギーがあったりする場合の使用は禁忌です。カフェインの過剰摂取は、高血圧・心臓病・糖尿病・潰瘍・癲癇等々の方には禁忌です。

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