イポルルとは

<植物の概説>
ユーフォービアセア科(Euphorbiaceae)
和名 トウダイグサ科
アルコルネア属(Alchornea)
和名 フォリブンダ(floribunnda)、
カスタネイフォリア(castaneifolia)

一般名 イポルル・イポロニ・イポルノ・マコクフィア等
原産地 ペルー・ブラジルのアマゾン奥地
使用部位 樹皮・葉

イポルルは、ペルーアマゾンでも標高が低く、 頻繁に洪水が発生する低地に生息している木本性の低木です。雨季には水中に埋もれてしまうので、収穫は乾季にのみ行うことができます。樹皮に含まれている活性化学成分も乾季にのみ存在していいて、雨季にはみられません。 イポルルはトウダイグサ科に分類されますが、トウダイグサ科には5000種類を超える高木や潅木、そしてハーブなどの薬用植物が分類されています。トウダイグサ科の植物は食用や薬用、そしてゴム・オイル・染料等々有効な利用方法が多岐にわたることから、経済的価値が高いとされています。

<伝承例>
アマゾンに住む先住民によるイポルルの利用法は多岐にわたっており、その調製方法も様々です。その中でも代表的なのが、イポルルをアルコールに浸し、リューマチ・関節炎・風邪・筋肉痛などに効く健康酒とする方法です。

 ペルーアマゾンで特に知られているイポルルの効能として、骨関節炎の症状緩和や関節の稼動範囲を広げ、動きをスムースにする効果があります。
 カンドチ・シャプラ族とシポビ族では、リューマチの治療のためにイポルルの樹皮と根の両方が用いられています。
 ディクナ族では、下痢の予防効果があるとして、食前にティースプーン一杯分の樹皮の煎じ汁が飲まれています。

 ペルーアマゾンの中でも限定的な利用ですが、痛み止めとして利用しているペルーアマゾンの先住民もいます。具体的には、磨り潰した葉を直接痛みのある関節に擦り込んだり、或いはペースト状にしたイポルルを患部に直接塗り、鎮痛剤としたりします。

 ペルーの地方都市では、イポルル関連の治療薬や製品が販売されているのをよく目にしますが、特にハーブ医療ではリューマチでの利用に高く推奨されています。ペルーアマゾンの主要都市プカルパでは、関節炎に加え、イポルルの葉の煎じ薬が咳やリューマチに用いられています。また、ペルー北部に位置するピウラ近郊では、女性の受胎能力を促進する目的でイポルルの葉が利用されています。一方、男性用の媚薬として、或いは強壮剤として利用する場合もあります。

<効能・成分概況>
効果・効能 アレルギー・鎮痛・抗炎症・抗リューマチ・抗細菌・催淫・緩下
適応 筋肉痛・関節炎・抗細菌
含有成分 アルコールネイン・アルコールネイノン・アンソラニック酸・
ゲニステニック酸・イソアルコールネイン・ヨヒンビン・アルカロイド
使用方法
30gの乾燥体を500CCの水で煎じ、1日2~3回に分けて飲用する。

<研究例>
 北米では、特に筋肉や関節に関連する効能が注目され、運動選手や自然療法士の間でイポルルの人気が高まりつつあります。また、関節炎や関節の痛み止めとして、イポルルに含まれている鎮痛効果や抗炎症作用をもたらす成分に注目が集まっています。

 アルゼンチンで行われたある研究では、鎮痛成分や抗炎症成分に加えイポルルのエッセンスに抗バクテリア作用があることが発見され、ペニシリンGに抵抗力を持ってしまった黄色ブドウ球菌株・大腸菌・コウジカビ族に対し有効であることも確認されています。イポルルの抗炎症特性ですが、これは樹皮に含まれるアルコルネインを含むアルカロイドのグループによるものであることがわかっています。

<使用方法>
今日のペルーにおけるハーブ医療では、男性性不能症の場合、乾燥したイポルルの葉1カップを500CCの水に浸した浸出液を1日1/2カップ、糖尿病の場合は、1.5カップの乾燥したイポルルの葉を1リットルの水に浸し、食後に1カップずつ毎日服用します。

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