信州産の上質ヤマブシ茸の「8種類の必須アミノ酸」
ヤマブシ茸は神経細胞成長因子(NGF)ヘリセノンや免疫力を活性化するベーター・ディー・グルカン類を豊富に含み、100g中に食物繊維が40.15g、ビタミンB1が2.34mg、ビタミンB2が3.51mg、コレステロール低下作用を果たすリノール酸が脂肪酸組成の40%を占め、人体の蛋白質を構成する8種類の必須アミノ酸がバランス良く含まれており、ヤマブシ茸は健康保持には理想的な食用キノコです。
がんを抑え、痴呆を防ぐ ヤマブシダケ
ハート出版のふるさと文庫矢澤一良 著
20世紀の西洋医学は目覚ましい発展をとげました。死病と恐れられた感染症をいくつも根絶し、遺伝子レベルの治療まで可能となって、いまや医学は神の領域にまで踏み込んだといわれます。
しかしその一方で、実に皮肉なことに「治らない病気」が増えています。各種がんをはじめ、高血圧、糖尿病、心臓病、リウマチ、アレルギー性疾患、痴呆症といった生活習慣病がそうです。
西洋医学が最大の武器とする化学薬品は、細菌やウイルスといった目に見える敵を殺す力はめっぽう強いものの、自家中毒ともいえるこれらの生活習慣病に対しては病状を抑えたりコントロールするのがせいぜいで、病気そのものを根治する力はありません。
しかも、化学薬品は効き目が強い反面、副作用の心配が常につきまとうのも問題です。ときには、病気を治すための薬が、逆に別の病気を引き起こし、寿命を縮める要因にさえなっています。
そこで私は、いま袋小路に迷いこんでいる西洋医学の突破口として「食物」に秘められた力に注目しています。
食物のなかには、私たちの体に本来そなわっている病気と闘う力(主体は免疫力)を大いに賦活するものがあります。本書で紹介するヤマブシタケというキノコはその代表的なものです。
ヤマブシタケは、中国で古くから山海の四大珍味の一つとして高級料理に用いられてきた味わい豊かなキノコであり、薬膳(薬効をもつ料理)に使われる漢方生薬の一つでもあります。このヤマブシタケを日常的に食べていると、強固な健康がつくられて病気の予防に大いに役立ちます。
また、すでに病気を患っている人にとってもヤマブシタケの常食は大変価値あるものです。
現在、40歳代以上の、いわゆる中高年層にある人たちは、おおむね何らかの病気を抱えています。その場合、生命に別状がなくても、副作用の避けられない薬の常用を余儀なくされたり、好きな食べ物を我慢しなければならなかったり、遊ぶことや外出さえままならなかったりといった具合に、病気によって生活が大幅に制限されがちです。
生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)の低下は、強烈なストレスを生みます。それが病気に対する抵抗力を下げて、さらに深刻な病気を生む場合も少なくないのです。
一方、たとえ病気を抱えていても、その病気とうまく折り合いをつけながら、いつもどおりの生活ができ、寿命をまっとうできれば、日々の生活はより豊かなものとなります。
そうしたことから最近は、医薬の分野でも、病気を治すための薬剤のほかに、クオリティ・オブ・ライフを著しく改善するような薬剤、すなわち「生活改善剤」の開発が盛んに進められています。そのなかには、発毛剤やバイアグラのように、すでに厚生省の認可を受けて医療現場で使われているものもあります。
生活改善剤は、治療薬と違って生命に直接関与するものではなく、また実際にその症状で悩んでいない人にとっては、なぜそのようなものが必要なのかさえ理解しがたいシロモノです。
しかし、患者さん本人にとって生活改善剤の存在は、生命を救う薬剤に匹敵するほど重要なものです。発毛剤で頭髪がいくぶん増えるといった、ほんの小さな変化でも、患者さんの心は大いに潤い、それが結果的に体のほうにもよい影響をもたらすことになるのです。
ヤマブシタケは、あくまで食品ですが、そうしたクオリティ・オブ・ライフの向上を助ける力をもっています。いわば「生活改善食品」といったところで、実際にヤマブシタケを食べ続けるうちに、薬の副作用がやわらいだり、病状をうまくコントロールできたり、なかには病気自体が回復する例もみられています。
21世紀は、ヤマブシタケのような生活改善食品の存在が、予防医学の“要”として大いにクローズアップされていくことになるでしょう。