<植物の概説>
キャッツクロー――直訳すれば「猫の爪」。
1ヘクタールに1~2本しか自生しないほどの貴重なハーブで、アンデスの先住民は何世紀も前から「自然の贈り物」として、自らの健康を維持するためにこれを飲むことを現在まで子孫に伝承してきました。
キャッツクローは、ペルーアマゾン源流の海抜800m以上の高地に自生するアカネ科の蔓性植物で葉の付け根に棘があり、この棘が猫の爪によく似ていることから、現地では、 Una de Gato(ウナ デ ガト)と呼ばれております。
近年、伝承民間薬の良さを紹介する世界中の学者が、キャッツクローを求めてアマゾン源流に入り、科学分析を始めるようになりました。そしてその素晴らしい効用が世界中の学者によって発表されると、競って愛飲されるようになり、特にアメリカを中心に毎年消費が増え続け、全米ではハーブ販売の上位となっております。
このためペルー政府は、乱獲によるキャッツクローの撲滅を防ぐため法律によりその保護に乗り出すと共に、大統領自らが広大な土地に100万本の苗木を植樹、国家の保証と厳しい管理の下に栽培を続けております。
<伝承例>
先住民の間では数百年にわたり、樹皮をはがし煎じ、常に煮出したキャッツクローが冷蔵庫にあり、ちょうど日本人がお茶を飲むように飲んでいます。
先住民は焚き火で料理をつくるため、その煙や焼いた食べ物の炭という、両方のタールに含まれている発ガン性物質に毎日さらされているにもかかわらず、ガンの病気にかからないことから、キャッツクローの免疫力・抗炎作用が注目されるようになりました。
<効果・効能>
このハーブに含まれるアルカロイドが身体の免疫力を高めるため、風邪や生活習慣病の予防などに効果があります。また、この免疫増強作用と並ぶ代表的な効果は抗炎症作用で、腸の炎症をやわらげ、胃腸を正常な状態に改善する働きもあります。
<適応> 関節リウマチ・変形関節症の痛みの緩和、鎮痛作用、抗炎症など。
<含有成分>
免疫力を強化するアルカロイドが多く含まれ、また炎症を抑えるキノビック酸グリコサイド、さらに植物ステロールも含有しています。
科学的に研究されはじめたのは1970年代からですが、1974年、オーストリアの科学者であるケプリンガー博士はキャッツクローについて大規模な研究を開始し、その主成分であるアルカロイドに関して、2件の特許を取得しています。
<キャッツクローのはたらき>
1.免疫細胞を助けます
キャッツクローには免疫力増強の働きがあります。免疫とは、体内に侵入した病原菌や毒素を判断し、対外に排出する機能のことです。免疫が低下すると、異物が体内に侵入しても退治できなくなり、骨や脳などにまで至って敗血症を起こしたり、肺では肺炎を起こしたりします。
キャッツクローに含まれているアルカロイドが免疫組織を刺激し、その機能を活性化し、異物となる病原菌に対する抵抗力を高めます。これによって、人間が本来もっている自然治癒力が高められるわけです。
2.リウマチの特効薬としての期待 リウマチは関節や筋肉の疼痛性疾患で、今なお原因不明のケースが多く、完治がむずかしい難病の一つといわれています。リウマチは古代ギリシャ時代から人類を悩ませている病気です。キャッツクローのリウマチに対する効果は、ペルーでは古代インカ時代より知られていて、ネイティブアメリカンの間ではリウマチや関節痛の生薬として愛用していたことがわかっています。
アメリカのリウマチ専門医のサラザール医師がまとめた研究発表によると、15人の医師が40人のリウマチ患者にキャッツクローを投与し、関節痛や夜間の痛み、朝のこわばりなど多くの診断項目において、統計的に有効性を実証しています。
薬理学的にみても、これまで確認されているキャッツクローの6つのオキシインドールアルカロイドと呼ばれる物質のうち4つのアルカロイドには、免疫増強作用や有害異物の食菌作用が実証され、生体内で鎮痛効果や抗炎症効果が確認されています。これまで一般的に普及している健康食品では見られない効用であり、このキャッツクローの鎮痛・抗炎症作用は、毎日痛みで苦しんでおられるリウマチなどの慢性疾患患者には特効薬として期待されています。
3.関節痛・膝痛を緩和 関節が痛む疾患として多いのが「変形関節症」です。変形関節症には自己免疫異常はまったく関係していません。加齢現象、あるいは何らかの理由によって関節内の軟骨がすり減った結果、上下の骨と骨が直接触れ合うようになり、関節内に炎症が起こって強い痛みが生じる疾患です。 キャッツクローに含まれるキノビック酸グリコシドは優れた抗炎作用を持ち、変形関節症への高い効果が確認されています。また、キャッツクローには抗炎症作用や抗酸化作用もありそれにより関節の炎症を鎮め、激痛を癒し、動かなかった関節が再び動くようにしていく効果をうみだしているのです。
4.抗炎作用で、痛みや腫れを緩和 炎症とは、一般に「細菌・薬品・物理的作用などに反応して、体の一部に発赤・腫脹・疼痛・発熱などを起こす症状」のことをいいます。いってみれば、体の外側から加えられた刺激に対して、私たちの体を守る反応です。この防衛反応そのものが患者を苦しめる結果になる場合があり、全身の関節がおかされ腫脹し、痛み・微熱・だるさ・食欲不振、そして骨の破壊まで進むことがあり大変な苦痛です。
5.ガン・エイズへの期待 ヨーロッパの医療研究機関では、白血病などの免疫不全症やガンの患者、さらにエイズ患者への投与も行われており、オーストリアではエイズ・ヘルペスなどの患者に有効な成績を挙げ政府はキャッツクローの投与費を援助しています。
キャッツクローのアロカイドに、悪性の細胞を殺す大食細胞の活性化、炎症と免疫力の改善効果があることが特許として承認されています。
<使用方法>
一日の所要量は、成人(男女とも)で20mg。過剰に摂取すると、下痢を含む腹部・消化器官の不調を引き起こす恐れがあります。