<植物の概説>
中南米の水のきれいな池や沼、川辺などに自生するオモダカ科の水草。長い茎の先に楕円形の大きな葉がつき、茎は人の背丈ほどに成長し、葉の大きさは30~70センチになります。 なお、シャペウ・デ・コウロと同じオモダカ科のサジオモダカは、わが国の北部や高地、中国東北部、東シベリアなどの沼沢地に自生する多年草で、漢方ではその球茎を沢瀉と呼び、利尿・腎炎などに用いています。中国ではその葉を沢瀉葉といい、慢性気管支炎などに民間薬的に使われています。
<伝承例>
ブラジルの民間薬として古くから知られ、尿酸・血尿・膀胱カタル・関節炎・痛風・水腫・浄血・肝臓肥大・腎臓炎・腎臓結石・リウマチ・皮膚病・吹き出物などに効果があるとされています。
<効果・効能>
強い利尿作用があり、腎臓系への適応が伝わっています。また、抗酸化力がビタミンCの9倍あり、チロシナーゼ阻害作用により、化粧品への応用としての注目も集めています。 特にブラジルでは、血をきれいにする薬草としてよく知られており、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす作用のあることが知られています。また、優れた利尿作用があるため、蛋白尿・腎臓炎・膀胱炎などによいとされています。また、関節炎・リウマチ・痛風などにも効果を発揮します。皮膚病にも効果があり、湿疹・吹き出物、最近ではアトピー性皮膚炎などにも用いられて効果を挙げています。尋常性乾癬という治療の難しい皮膚病に対しては、通常ステロイド剤が用いられますが、一時的には改善するものの根治が難しいとされています。これに対しシャペウ・デ・コウロは、医薬品のような即効性はないものの、半年・一年と飲用しているうちに意外と大きな効果が出てくるとされています。
<適応>
血液浄化作用を持ち、皮膚疾患のほか、痛風・関節炎・腎臓病などに効果的です。
<含有成分>
ヨードや鉄分を含み、コレステロールや中性脂肪を減らす作用、利尿作用、ヒアルロニターゼ阻害作用などがあるといわれ、健康維持やダイエットをサポートするものとして注目されています。
また、日本でのシャペウ・デ・コウロの煎じ液の動物試験では「血中コレステロール・中性脂肪の増加抑制作用」、「活性酸素消去作用」、「抗アレルギー作用」などが確認されました。
<使用方法>
ブラジルではこの葉を陰干しにし、軽く火で炙ってから揉み砕き、それを煎じて飲むと血液の浄化・皮膚疾患・利尿・腎臓病・関節炎・痛風・リウマチ・潰瘍などに効果があるとして愛用されてきました。
今日では「食べる化粧品」として、ダイエット食品の新素材として注目を浴びています。コレステロールや中性脂肪を減らす効果と利尿作用の相乗効果で、体脂肪が減る上に、加齢や病気による肌や関節の衰えを抑えるヒアルロニターゼ阻害作用を持っているといわれています。
<主な製品>
シャペウ・デ・コウロとは、酒・味噌・醤油などの醸造食品を作るときに使用される麹の一種ですが、一般の麹と異なり鮮やかな紅色をしているので、紅麹と呼ばれています。紅麹にはギャバ(γ-アミノ酪酸)やモナコリンKという有効成分が含まれ、健康な血圧やコレステロールをコントロールする働きが知られています。シャペウ・デ・コウロは活性酸素を消去し、心身の正常化作用をもたらすといわれています。