石鹸の話

■ 「石鹸」の歴史

石鹸は紀元前3000年生まれ。

メソポタミヤ文明が栄えたときにシュメール人がヤシ油などの油と植物灰を煮て石鹸を作ったとシュメールの粘土板に製造法が記されているそうです。

本格的に製造されるようになったのはローマ時代でヤギの脂とブナの木の灰を混ぜて作られるようになりました。しかし当時の石鹸は使うと肌がひりひりしたので評判がよくなかったそうです。

12世紀になるとイギリスで石鹸の業者ができました。当時はたいへん高価で、かなりのお金持ちでさえ 日用品としては使えなかったのです。このようにヨーロッパでは長い間石鹸は一般的ではなくそのかわりに香水が流行でした。 汚れを落とし洗うのではなく香水でごまかしてたのです。今から思うと汚いですよね。

石鹸が一般的に広がったのは18世紀後半の産業革命にはいってから。
大量生産が可能になり、価格もだいぶ安くなってきました。その後フランスの化学者シェブールが、誰でも作れるように原理・原則を見つけ、さまざまに改良を重ねられてまたたくまに庶民に広まっていきます。そして1933年には合成洗剤がドイツで開発されました。

現在ではたくさんの種類の石鹸や洗剤がありますよね。
■ 石鹸が環境にやさしいって話

石鹸はベースに動物や植物の油脂を使い、それに苛性ソーダや苛性カリなどのアルカリを加えて作ります。合成洗剤は石油(合成界面活性剤)をベースとして使用し、たくさんの助剤を加えて作られています。

環境に悪いといわれるのは合成界面活性剤で、石鹸の脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムも 界面活性剤の一種ですが、これは‘合成’界面活性剤とは呼ばれません。
石鹸以外の界面活性剤を合成界面活性剤といいます。

合成界面活性剤は分解が非常に悪く、バクテリアなどの生物に対して毒性も強いのです。
バクテリアは下水などの汚れを分解しきれいにする役割がありますが、合成界面活性剤が下水に流れ込むとバクテリアを殺してしまうのです。
合成界面活性剤も3ヶ月もすれば分解されますが、石鹸なら1日でバクテリアによって炭酸ガスと水に分解されます。
だから石鹸が環境にやさしいのですね。

 

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